日本の公害経験シリーズ VI
よみがえれ命の水
Bringing Water Back to Life

2008/30min/Japan
制作:TVEジャパン
プロデューサー:小泉修吉/水野憲一
ディレクター:河合樹香
この番組は地球環境基金の助成により制作されました

今、世界では水がますます貴重な資源として重要視されている。安全な水の確保が難しいアジアの各国では、下水処理整備がされている地域は少なく、工場も汚水処理施設の設置はまだまだ不十分と言わざるを得ない。この状況は経済成長期に入った40年前の日本と重なる。この作品には当時、処理されない工場排水や家庭排水が環境中に垂れ流し続けられた日本の様子が描かれている。日本中の水環境は急激に悪化し、蚊さえ生きることのできない死の川や湖があった。そんな中、水俣病などが大きく取り上げられ、少しずつ事業者や市民の意識が変化するようになった。

工場の排水は厳しい排水基準と罰則が設定された為、事業者は汚染物質を排水に流す前に回収するなど、様々な方法で汚水を出さない技術を開発した。家庭排水の改善には家庭の主婦達が奮闘する。琵琶湖周辺で石鹸運動がおこり、湖の富栄養化を引き起こすリンが入った洗剤を使わない選択がされるようになった。更に排水処理技術が向上したこともあり、日本の川は劇的な改善を見せた。かつては死の川と言われた多摩川も今では鮎が生息するほどになった。

日本の経験を通してわかったことは、汚染の発生源を元から絶つことが一番効率的であり、経済的な方法だということだ。ここにたどり着くまでに沢山の犠牲を払って来たことはアジア諸国の人々に伝えていくべき事実だ。日本の湖の富栄養化は未だに深刻で、元来の透明な水を取り戻すには膨大な費用がかかるだろう。一度汚染された環境を元に戻すことが非常に困難なことを日本は身をもって学んだのだ。