日本の公害経験シリーズ VII
ごみの島
Island of Waste

2009/30min/Japan
制作:TVEジャパン
プロデューサー:小泉修吉/水野憲一
ディレクター:河合樹香
この番組は地球環境基金・東京ガス応援基金の助成により制作されました

日本人がものの豊かさを手にした戦後、大都市では物があふれ、ゴミが大量に発生するようになった。日本ではごみを山や海に埋め立てて処分してきたが、この方法には限界があった。あまりのゴミの多さに埋立地は見る見る間に満杯になり、新たな埋立地の確保が困難にだったのだ。工場や建設現場から排出される産業廃棄物は、廃棄物とは無縁の田舎や離島に運ばれるようになり、ごみは不法に広域移動をするようになる。ゴミの不法投棄は発見された時にはすでに巨大なゴミの山となり、各地で環境汚染を引き起こしていることも珍しくなかった。

ゴミ問題の特徴の一つに排出者の特定が難しいことが挙げられる。それは不法投棄の元になる原因の多くが、私達自身の生活から排出されているためだ。廃車や廃家電はその典型的な一例であり、それらが不適切に処理され、有害物質を出し、どこかでゴミの島を作っていても私達はそのことを知らないでいるかもしれないのだ。加害者と被害者、お互いの顔がみえないことが問題の解決をよりいっそう難しくしていたのだ。

この番組には、ゴミ行政に疑問を抱いた市民によるリサイクル運動や、埋立処分場計画を撤回した、名古屋市のゴミ減量への挑戦を描いている。また、日本に無数ある不法投棄事件の典型事例として香川県豊島に焦点を当てた。

今の日本のゴミの現状を見ると、まだまだ未解決の問題が沢山あり、日本の公害経験としてその解決策をアジア諸国に提示するには遠く及ばない。しかし、番組を通してごみが与え得る環境への負荷を学び、ごみの犠牲となってしまった人々の声に耳を傾け、これからのものの生産と消費のあるべき姿を一緒に考えていただきたい。